

文喫福岡天神の10月の企画展 『福岡にいるぬいぐるみ展』は、「いろいろなひとに思いをめぐらせて、私たちがもっとやさしくなれたらいいな」「自分の心のやわらかい部分をさらけ出しやすくなったらいいな」という思いで、開催に至りました。
企画のきっかけとなった1冊です。
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恋愛を楽しめないの、僕だけ?
"男らしさ""女らしさ"のノリが苦手な大学二年生の七森。こわがらせず、侵害せず、誰かと繋がりたいのに。
ジェンダー文学の新星!
鋭敏な感性光る小説4篇を収録。
◆著者・大前粟生さんインタビューより
「おもしろさのためにとる雑なコミュニケーションや、人をあおるレトリック。それに対抗できるのが小説や詩ではないかと思います」
4/4 朝日新聞 男の子も傷つく女性差別
「セクハラ事件など、SNSで流れてくるニュースを見ていると、男性が加害者であることが多い。僕は加害者に対して全力でむかついているし、許せない。でも一方で、その男性が育ってきたのと同じ社会で、自分も『男性として』生きてきたという事実に直面してしまう」
4/10 フェミニズムへの共感と、男である罪悪感。「ジェンダー小説」で描かれた苦しさと滲んだ希望とは
「物語としてカタルシスがないよう、言語化しにくい混乱した思いをそのまま書きたかった」
5/2毎日新聞 傷ついた読者を包む物語
「大変な状況になると、強い言葉や『当たり前』の押しつけ、一般論によって社会が塗りつぶされがちです。当たり前と思っていない人、そこに生きづらさを感じている人もいるはずです」
5/4京都新聞 失われる他者への配慮
「人を傷つけないでいようと思うと、人とコミュニケーションを取らないことが一番楽で効果的な方法です。でもそのやさしさは同時に人に興味がない無関心に転じてしまう。やさしさの呪いですね」
5/25クロワッサン 言葉にできないしんどさをぬいぐるみと
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河出文庫
ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
大前 粟生(著/文)
発行:河出書房新社
文庫判 縦153mm 横106mm 厚さ11mm 重さ 130g 200ページ
定価 680円+税